コンビニエンスストア、商業施設、大型店舗では、ごく普通に敷設されているセラミックタイル。
高級感・色合い・光沢・清潔感はもとより、反射率の高さから光熱費の削減にも繋がる等のメリットがある事で多方面で導入されています。
本来セラミックタイルとは、100%石材を粉砕し、数%のアルミナを補強混入後粘土化し、2,500~5,000tレベルで圧縮し、1,280℃を基本べースとして焼成したものを、ダイヤモンドパットで磨いた物が本磨きセラミックタイルでした。
しかし、セラミックタイルには、2つの課題がありました。
1つ目の課題として、本磨きセラミックタイルの価格問題がありました。
ですが、この問題点は、磁器タイルにセラミック部を圧着した2層式にして本磨きする事で単価を下げたのを1回目とすれば、2回目としては2層式にしてから時間と材料コストの掛かる本磨きを止め、施釉やシリコーン系樹脂系コーティングを採用する事で本磨きに関わる時間と研磨材等の大幅なコスト削減により、達成されました。
2つ目の課題は、濡れると滑りやすいと言う問題点です。
特にコスト削減を達成したシリコーン系樹脂系コーティングセラミックタイルに関しては、コーティングの影響を受け、乾燥状態であっても驚くほど滑ります。
現在、シリコーン系樹脂系コーティングセラミックタイルは、数十年前の本磨きセラミックタイルのほぼ半額に近い価格帯となっています。
破格の価格を実現した関係で、デパート・スーパー等の大型店舗からコンビニ等の小型店舗に至るところまで使われる様になりました。
本磨きの工程を、8~9割で止めシリコーン樹脂系コーティング材を塗る事で、残りの工程をカバーすれば見た目は殆ど100%の本磨きのセラミックタイルが出来上がります。
美観に優れ、清潔感もあり、メンテナンスも簡単と良い事ずくめではありますが、残念ながら滑りと言う課題をクリア出来なかったのが、ある意味で致命的でした。
そのため、商業施設・コンビニ等で滑り転倒事故により、トラブルになる事例が近年多発しているようです。